[Seasar-user:1331] Re: The Seasar Software License 1.1

Yokota Takehiko takehiko
2004年 12月 7日 (火) 12:43:31 JST


横田です。

On Mon, 06 Dec 2004 19:39:14 +0900
TAKAI Naoto <[E-MAIL ADDRESS DELETED]> wrote:

> 高井です。

補足ありがとうございます。

> IANALですが、例外条項を設けることで問題なく配布することができると思い
> ます。詳しくは下記を参照してください。
> 
> http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.ja.html#WritingFSWithNFLibs

早速拝見しました。この例外条項は、あるプログラムの作者が、プログラムを
非GPLであるライブラリとリンクしたりリンクした結合物を配布する許可を与え
るもののようです。したがって、リンクされる側の「非GPLライブラリ」側が
リンクを許していない場合は、例外条項を設けてもリンクしたり結合物を配布
したりすることはできません。

次にSeasarは別のGPLプログラムとリンクしたり再配布したりすることは可能か
ということですが、これはSeasarをリンクするプログラムがSeasarの派生物かど
うかによって変わってきます。

私の知る限りでは、FSFの解釈では少なくともあるプログラムがないとビルド
できないとかあるプログラムがないと動作しないようなプログラムはそのプロ
グラムの派生物とみなされるようです。

なお、GPLが適用されたライブラリと他のプログラムとのリンクに関する参考と
しては以下のページがあります。
http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.ja.html#TOCMereAggregation
http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.ja.html#TOCIfLibraryIsGPL
http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.ja.html#TOCLinkingWithGPL
http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.ja.html#TOCIfInterpreterIsGPL
http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.ja.html#TOCGPLAndPlugins
これらを読むと、少なくともGPLが適用されたJARファイル等を自作プログラムか
ら利用する場合は、自作プログラムは派生物とみなされGPLを適用しないといけ
ないことになりそうです。

さて、このようなFSFの解釈と同じ解釈をSeasarの著作権者(ひがさん)がとって
いらっしゃるのであれば、同様にSeasarを使ったプログラムもSeasarの派生物と
いうことになり、その場合は派生物をGPLで公開することはできないことになりま
す。

SSL1.1では派生物のライセンスを特に規定していないので(著作権者等の表示
は別)、GPLで公開してもいい気もしますが、ひがさん自身が「GPLとの互換性
はない」とおっしゃっています。GPLとの互換性がないということはつまり、
派生物をGPLで公開できないということですので、結局Seasarを使ったプログラ
ムはGPLでは公開できないことになります。

整理すると、
・Seasarを使ったプログラムがSeasarの派生物であるとSeasarの著作権者が
  判断するのであれば、(例外条項をつけたとしても)それをGPLでは公開
  できない。
・Seasarを使ったプログラムがSeasarの派生物ではないとSeasarの著作権者
  が判断するのであれば、それをGPLで公開できる。
ということになります。質問形式でさらに言い換えれば、

Q. Seasarを使ったプログラムを作った場合、そのプログラムのソースコード
   をGPLで公開しても問題ありませんか?
Q'. そのプログラムをGPLとした上で、プログラムのバイナリにSeasarのJAR
    ファイルを含めたものを配布しても問題ありませんか?

という質問に帰着すると思います。

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  YOKOTA Takehiko
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