[jpa:41] krank (crank？)

[Koichi Kobayashi]

小林 (koichik) です．

オレンジニュースによると，krank なる
プロダクトがあるそうです．

http://code.google.com/p/krank/

なぜか配布ファイルは crank (^^;

ともあれ (JW)，SpringJPA 上で利用可能な
DAO フレームワークということで，
Kuina-Dao と同じような位置づけみたいですね．

http://code.google.com/p/krank/wiki/UsingDAO

を見ると，アプローチの仕方は結構違います．
Kuina-Dao はエンティティ毎に Dao インタフェースを
定義するのに対して，krank ではエンティティ毎に
Dao インスタンスを定義するという感じ．
でも，できることはかなり似てます．

krank の

    Employee employee = (Employee) genericDao.read( 1L );

は，Kuina-Dao では

    Employee employee = employeeDao.find( 1L );

になります．
# krank の例，なんでキャストがいるんだろ？

もうちょっと複雑な問い合わせの例．
krank では

    Map<String, Object> params = new HashMap<String, Object>();
    params.put("firstName", "Rick");
    List<Employee> employees = genericDao.find( params, new String[] { "firstName" });

Kuina-Dao では EmployeeDao に

    List<Employee> findByFirstName(String firstName);

といメソッドを用意して

    List<Employee> employees = employeeDao.findByFirstName("Rick");

となります．
この場合，krank では自動的に firstName でソートされるらしい．
Kuina-Dao でソートを指定するなら，Dao のメソッドに

    @Orderby("firstName")

ってアノテーションを付けることになります．
# orderby という名前の引数で指定することも可能．

関連先のプロパティを条件とする場合，krank では

    List<Employee> employees = genericDao.find("department.name", "Engineering");

Kuina-Dao では EmployeeDao に

    List<Employee> findByDepartmentName(String department$name);

というメソッドを用意して

    List<Employee> employees = employeeDao.findByDepartmentName("Engineering");

となります．

もっと複雑な例．

    employees = genericDao.find(
        eq("department.name", "Engineering"),
        or( startsLike("firstName", "Rick"),like("firstName", "Ri"))
    );

Kuina-Dao では EmployeeDao に

    List<Employee> findCondition(ConditionalExpression... cond);

というメソッドを用意して，

    employees = genericDao.find(
        eq("department.name", "Engineering"),
        or( like("firstName", "Rick%"), like("firstName", "%Ri%"))
    );

かなぁ．krank の like() ではワイルドカードを含めていないので，
引数の前後に勝手にワイルドカードが付くと予想．
Kuina-Dao では Dao のメソッドに

    List<Employee> findByFirstName(String firstName_CONTAINS);

とすると，引数で渡した値の前後にワイルドカードを
付けたり，同じように STARTS，ENDS があるのですが，
ConditionalExpression を指定する場合に contains() とか
用意してないことに気がつきました (苦笑)．
次のリリースまでに含めることにしよう．

その他，Query by Example や Named Query などなど，
考えることはみんな同じだなぁという感じです．(^^;

大きな違いは，krank は Generic な Dao を提供するのに
対して，Kuina-Dao では個別の Dao インタフェースを
定義してもらうことが前提になってる点でしょう．

昨年秋の Seasar Conference で Kuina-Dao を紹介する
セッションをやったのですが，その後の懇親会で
Generic な Dao を継承して Dao インタフェースを
作れるようにして欲しいという意見を頂いたんですよね．
その時にはあまり魅力的な案だと思えなかったのですが，
採用する方向で考えようかなぁ．
そうすると，

public interface EmployeeDao extends GenericDao<Employee, Integer> {
}

のようにするだけで，find() や persist() などの基本的な
操作は使えるようになります．
とはいえ，krank みたいに GenericDao を直接使うのは
Kuina-Dao の実装ではちょっと無理．


ともあれ (JW)，Spring で JPA な人は試してみては
いかがでしょうか．
# Seasar で JPA な人は是非 Kuina-Dao を(笑)．


-- 
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